直線上に配置
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膝が痛いという訴えのある患者様が、医療機関に来院にされると、通常、医師による診察によりその原因を探ります。医師の診察は問診・視診・触診及びレントゲン写真等の画像などから診断がなされます。
事故やケガなど明らかな外傷があり、骨折・脱臼・靭帯損傷などの器質的な異常(解剖学的な破綻)があった場合、手術等外科的処置を含めて、それに対する治療が行われます。しかし、その痛みがこれといった原因もなく出現したきたものであれば『なぜこのような症状が出現したのか』を明確にしなければ、本当の意味での根本的治療にはならないと思います。
一般的に慢性的な膝の痛みに対して『年をとってしまったから』『太りすぎで関節に負担がかかっているから』などと説明がなされます。では同じ年齢の方がみんな同じ関節の痛みをお持ちでしょうか?また、お相撲さんはみなさん、同じ障害を抱えているでしょうか?
これらはあくまでもそれらの疾患になりやすいというだけのことではないでしょうか。長い眼で見れば、関節に負担のかからないように減量することも大事ですし、老化で相対的に低下した筋力を鍛えることもとても大事だと思います。しかし、もう少し人間の日々の生活を考え、向き合った治療をするのであれば、我々はその一人一人の体の特徴・動きの癖を明確にし、それらの体の特徴が関節や骨・筋肉にどのような影響を与え、それがなぜ痛みとなっているのか、なぜレントゲン写真のような骨の変形に至ったかを考察することが痛みのある障害への治療には必要であると考えます。
人間はそのほとんどが立って、歩いて生活しています。人間の歩く姿を観察すると、例えば左足が前に出るとき、右手が前に出ます。他にもスポーツの場面などでもよく見られますが、人間は生活動作のほとんどがねじれを利用して、力を発揮します。
歩行だけで考えますと、下半身は骨盤より下で地面を蹴るための動きをし、上半身で体をねじりバランスをとり、体を前へを推進させます。体のねじれは、いわゆる、みぞおちと呼ばれる胸のところで行われ、その結果、手が振られます。
では仮に、上半身が硬くなりすぎて適切な位置でねじれない体は歩く動作において、膝にどんな影響を与えるでしょうか。
上半身が硬くなり、ねじれが減少した歩きは、ねじれを骨盤の周りで行うことが多く見られます。つまり本来の理想のねじれより下で、動きが出るため、当然、下半身の蹴るための力は減少し,ねじれは股関節を介して、膝までねじれるストレスが加わります。運動学的に肘と膝は人間の関節の中でもねじれの可動域が少ないゆえに無理なねじれは痛みの原因になると考えます。
こういった例では、むしろ上半身の柔らかさが膝のためには必要であるという仮説がたち、実際に上半身の筋肉を柔らかくすることで膝の痛みが軽減する症例は少なくありません。
これらは一例ではありますが、こういった体の特徴を見つけることが、いわゆる
慢性的な整形外科的疾患に対する治療のヒントになるのではないかと考えています。



            理学療法士  松本大士
Happy people make happy clinic
膝が痛いということについて