Happy people make happy clinic
インソール(足底挿板)療法について
  〜外反母趾・足底腱膜炎・アキレス腱炎の痛みをとる〜
@足部疾患の治療の現状と問題点

従来、外反母趾や扁平足など、形態的な異常を伴う足部疾患に対する理学療法は難しく、『手術するほどでもないけど痛くて困っている』と訴えのある患者様への治療は、満足いく結果が得られないことが多くありました。
外反母趾の原因を紐解きますと生まれつきの形態的要素(巾広い足=開張足)であったり、足部の支持機構の低下(筋力低下)、ハイヒールをよく履くなどの生活様式に問題があるなどと言われています。
治療には形態的破綻に対し、親指と人差し指の間にパッドを入れたり、支持機構の改善を目指し足の裏を中心とした筋肉のトレーニングを行うことがありました。
しかし、治療効果となるとパッドを入れることは対症療法にすぎず、筋力強化も効果が出るまで相当の時間を要し、また支持機構は筋肉のみならず靭帯・骨の強度なども関係することから一概に筋肉が強くなったから足部の支持機構高くなるとは言えず、効果も劇的なものではありませんでした。
それに対し、新たに靴の中敷を直接加工することで足部の機能を飛躍的に向上させ、痛みを緩和させるインソール(足底挿板)療法が近年注目されてきています。

Aインソールの考え

外反母趾などでは立っている時よりも歩いている時の痛みが強いことが多く、それは歩いている時に正確なタイミング、軌跡で踵からつま先へ体重が移動できてないことに問題があるためと考えられます。
正確な体重移動ができず親指の内側に体重が乗りすぎると外反変形が助長されます。
従来の足部疾患治療が動かない静的姿勢に着目したものあったのに対し、インソール(足底挿板)は、その患者様の動きから原因を解決していく、まったく新しい概念と治療法です。
インソールとは実際、患者様が履かれる靴の中敷に直接パッドをあてて作成し、患者様の歩きかたなどを分析しながら、動きの効率性を高め、足部へのストレスを分散させることにより痛みを取り除きます。また変形の進行をくい止める効果もあります。
これらはアキレス腱炎や足底腱膜炎などの過負荷による痛みにも適応があります。
Bインソールの実際

インソールは医師の診断にもとづき、インソール療法専門の理学療法士が評価、作成します。
作成時間は1〜2時間を要します。
行程は問診による痛みの評価、足部の形状、硬さの評価を行い、客観的データのもと、実際の痛みの原因となるを動きを分析します。例えば歩行時の痛みであれば歩行分析を行いますし、スポーツ時の痛みであれば、それに類似した動きを分析します。
作成後は1〜2週間、日常生活で使用して頂き、経過の中でインソールの調整を行います。
調整は個人差もありますが2,3度行うことで患者様が納得した形状に仕上げることができます。
もちろん痛みの経過に伴い、形状を微調整しつつ症状を軽減させていきます。

Cインソールの弱点

インソールは動きの中で理学療法士が分析を行い、その動きにあわせた作成を行います。そのため熟練した技術と経験を要します。
作成時間も1時間以上を要し、作成期間も調整を含め1ヶ月前後かかります。インソールを入れることで速やかに足部へかかるストレスが分散され、痛みがとれることもありますが、インソールを入れた靴を履き続けることで歩き方が変化して症状が改善していく場合もあります。他にインソールは靴にあわせて作成するため履く靴が限定されてしまう点、また屋内で裸足で歩く際には使用できない点などがインソールの弱点と言えます。このため一定の効果が出るまである程度日にちを要します。

D当院のインソール療法

インソール療法の治療概念は多く存在しますが、当院では個々の運動パターンを考慮し、障害を捉えるdynasole postural control device (dynasole PC)と呼ばれるインソール療法を施行しています。
医師の診断のもと、理学療法士がひとりひとりの足の形、歩行パターンに応じてインソールを作成しています。
理学療法士  松本大士