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第15回アジア競技大会(2006/ドーハ)に帯同して  2007.04.23

昨年12月に,カタールのドーハで開催されたアジア大会に
水泳競技のトレーナーとして帯同しました。
そのときのことを少しお話させていただこうかと思います。
カタールという国を皆さんはご存知でしょうか?
一昔前にサッカーの日本代表がワールドカップ出場を逃した
「ドーハの悲劇」があった場所です。
だだっ広い土地にぽつんぽつんと建物があり,なんだか寂しい
感じです。これといっておいしい食べ物あるわけでもなく,
観光する場所があるわけでもなく・・・逆に言うとありのままの
人々の生活が営われ,別に国際大会なんか来なくたって我々は
ここに住んでいるという主張すら感じます。
つまり国際大会が開催されることによる特別意識やお祭り
ムードから一歩引いた姿勢で大会を見守っている町の雰囲気でした。
これは日本にはないどこかのんびりとした余裕とニュートラルな人
の姿勢を垣間見ることができました。
アジア大会は,四年に一度開催されるアジア最大規模の国際総合
競技大会で,オリンピックのアジア版といったところです。
オリンピック競技にもなっていない種目も合わせ39競技が開催
されました。
私は水泳競技のトレーナーの一人として参加しました。
出発日前夜には結団式が行われ,秋篠宮殿下と紀子様も壇上に
いらっしゃいました.皇室の方から激励の言葉をいただいたとき,
自分は選手ではないのですが日の丸の重さを感じ,なんとも表現
できない感じを受けました。
競技日程の都合で選手全員が一緒に行くわけではなく,私は先に
競泳,後に水球につくため日本選手団中で最初に出発し最後に
帰ってくるという,なぜかハードスケジュールでした。
成田からドーハまでのフライト時間は約12時間.長い道のり
ですが,チャーター便のため席に余裕があり,とても快適な
フライトでした・・というのは嘘(チャーターはホント!)で,
足はむくむし,乾燥してのどは痛いし,あんまり眠れないしと・・・
疲労感は充分に満喫してきました。余談ですが,海外遠征は移動で
だいぶエネルギーの消耗があります。
ディープインパクトが勝てるわけないとホトホト感じました。
カタールは石油の原産国ゆえにえらいお金持ちの国のようです。
専用到着ゲートが建設されていたことに「この大会のために
仮設の建物を空港内に作ってしまうなんて,力入れているなあ」
とそのときは思いましたが,彼らにとってはたいしたことではなく,
大会中ほんとにお金があるのだなあと思わされることがたくさん
ありました。
さまざまな競技が行われる国際大会では,選手村ができます。
全ての国の関係者がそこに滞在することになります。
選手村には選手・役員の宿泊棟がマンション群のように何棟も
立ち並び,それとは別に共同施設,食堂・スパやテニスコート・
プール・卓球場など,映画館もあったりします。セキュリティー
もしっかりしていて選手村に入るにはもちろんIDカードが必要で,
毎回荷物チェックがあります。食べ物の大量の持ち込みも禁止されます。
韓国選手団は入村時にキムチを全て没収されたようです。
滞在中に外で買ってきたキムチを持って入村しようとした韓国選手も
止められ,没収されているのを目撃しました。
食事は食堂でのビュッフェスタイルで,まさに多国籍料理。
見た目もものすごく豪華でした.しかし,カタールの方が作る
日本食が期待できないように,その多くは味付けが一緒で,
なんとも言えない香味,アジアンテイストでした。さらに日本米が
ないので,極度に白米を欲し禁断症状に陥るはめとなりました。
競泳・シンクロ・飛込みが行われる会場は,ふたつの試合を同時に
行えるのではないかと思えるくらい広い会場でした。
さらに水球の会場は天井が高く広々とした空間で,明らかに昨年の
世界水泳の会場よりはるかに大きいものでした。
日本選手団はひとつの棟に全員がいるので入り口やエレベーターで
いろんな選手や関係者に会います。サッカーの元日本代表『アジアの壁』
と一緒にエレベーターに乗り合わせたときには,不覚にも感激して
しまいました。
水泳競技の結果は,ニュース等でご存知かと思います。
競泳・シンクロ・飛び込み・・,華やかな競技は報道される一方,
私が多く携わっている水球はほとんど取り上げられることが
ありませんでした。
水球は今回,選手たちは日本をアジア1にするため戦い,
男子球技では数少ない決勝進出を果たしました!・・
誰も言わないので声を大にして報告させていただきます。
四大会連続の世界水泳出場を決めたにもかかわらず,決勝で中国に
敗れたという結果だけが報道され,記事も散々な内容でした。
残念ながら今のスポーツ競技大会のあり方や報道に憤りを感じず
にはいられませんでした。
それでも選手たちはただただ目標に一意専心に戦い続けているので,
私も彼らのサポートをできることを幸せに思いますし,これからも
互いに研鑽していきたいと思います。
最後に皆様には遠征のたびにご迷惑をおかけして本当に申し訳
ありません。また帯同した際にはご報告させていただきたいと思います。
 
                         理学療法士  吉沢 剛
 
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