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新しい運動方法について(2008.11.21)

 
今年の10月10日から11日までの2日間、北海道札幌市で
開催された日本理学療法士協会全国学術研修会に参加
して来ました。
様々な講義の中で私が興味をもった話を1つ紹介させて頂きます。
 
現在、中高年層では高血圧、糖尿病などの生活習慣病にかかって
いる人が多く見られ、高齢者では体力の低下が見られています。
そこで、ある自治体では生活習慣病の改善、体力の向上を目的に
60歳前後で生活習慣病患者などの方を対象に「1日1万歩」を
スローガンとしてウォーキングを行っていただき、どのような
効果があるのか研究を行いました。その結果、生活習慣病の
指標である体重や体脂肪率・血圧・中性脂肪・悪玉コレステ
ロールなどの改善は認められましたが、体力向上や下肢の
筋力増強は認められませんでした。そこで、誰でもすぐに
簡単にできて生活習慣病の改善と体力向上が期待できる運動
方法はないかと考え出されたのが「インターバル速歩」とい
う運動方法です。
 
みなさんは「インターバル速歩」という言葉を聞いたことが
ありますか?一度ニュースで特集として紹介されたことが
あるようですが、私は今回初めて耳にしました。
 
「インターバル」とは「合間」という意味で、強い運動の合間
に弱い運動を行い、それらを交互に繰り返すトレーニングの
方法を「インターバルトレーニング」と呼びます。
今回のインターバル速歩では、ゆっくり歩くことと速歩きを
3分間ずつ交互に行います。
この運動を1日20〜30分、週4回繰り返します。これにより、
血圧の低下や中性脂肪の低下、体重の減少とともに下肢の
筋力増強と持久力の向上が認められました。
 
ではなぜ、1万歩のウォーキングを行っても持久力の向上や
下肢の筋力増強が認められなかったかのでしょうか。
先の研究で下肢の筋力(特に太ももの筋力)が高い人ほど
持久力が高いということが分かっています。しかし、同じ
スピードでゆっくり歩くだけでは、脚にかかる負担が
低過ぎたために1万歩あるいても下肢の筋力が増強し
なかったと考えられています。
 
それではここでインターバル速歩のポイントを紹介します。
 
まずは、正しいフォームで歩くことです。せっかく頑張って
インターバル速歩を行っても、誤った不適切なフォームで
歩いていては、期待したような効果が得られ難いばかりか、
逆に体を痛めてしまうかもしれません。
そのため、最初は一緒にウォーキングをする人などに
フォームをチェックしてもらうのも良いかと思います。
 
正しいフォームのポイント
  
 1. 軽く顎(あご)をひき20~30m前方を見る
 2. 首から肩はリラックスして肘を90°位に曲げる
 3. 背筋を伸ばして胸を張るようにする
 4. 着地する方の脚はつま先を上げて、踵から接地する
 
以上のような点に気をつけて1本の線上を歩くような
イメージで、歩幅は無理のない程度に普段より広くとり
ます。
 
次に速歩を行っている時の速さの目安についてです。
これは各個人によって持久力や筋力が異なるため、各自の
最大スピードで歩いたときの70%位が適当とされています。
しかし、これでは分かりにくいと思いますので、次の方法
を目安にして行うと簡単です。普通にウォーキングをして
「とってもラク」「ラク」「ややキツイ」「キツイ」の
4段階に分けて「ややキツイ」位がその人個人の最大速歩
の70%位になります。
 
3分間も速歩きをするのが辛いという方は2分でもかまい
ません。初めは無理のないように行うことが大切です。
 
現在このインターバル速歩は変形性膝関節症の患者様や腰痛
がある患者様に対しても行えるようにプールの中で浮力を
利用した状態で行う方法などの研究が進んでいます。
私たちのクリニックでは患者様個人にあったホームエクサ
サイズを提供できるように心がけています。
今回の講習会で、誰でも簡単にでき同じ効果が期待できる
運動を提供できることも大切であると感じました。
今後もこうした運動などを皆様に紹介していきたいと考え
ています。
  
理学療法士
鵜澤 克祥
 
 
 
 
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