トピックス
 
アメリカにおける理学療法技術留学記 その1(2010.12)

 
 昨年中は一年間当院での勤務をお休みさせて頂き、多くの患者様に
ご迷惑おかけし、申し訳ありませんでした。
 
 私事ではありますが、この期間理学療法技術習得のためのアメリカ・
カリフォルニア州での留学を行っておりました。帰国してから時間が
経過してしまいましたが、技術留学の報告をさせていただきたいと
思います。
 
 今回の留学は理学療法技術習得のほか、異国の人たちの医療に対する
向き合い方、健康の定義、日本との技術、設備、保険システム等の
比較を行うことを目的として渡米いたしました。
 
 自分の滞在した地区はフレズノというところでした。
カリフォルニア州の片田舎の街で、ヨセミテ国立公園の麓にあり、
山に囲まれた盆地で夏は38°を超える異常な暑さと乾燥で、その広大な
大地は車なくしては生活できない、まさにアメリカを感じる地域でした。
その広すぎる国土は自宅から到底、歩いてショッピングに行けるわけも
なく、ほとんどが車での移動という生活習慣であり、アメリカ人に
とって歩くという行為がウォーキングというスポーツとして捉えられ、
フィットネス産業が盛んなのも、生活そのものがあんまり動かない
ゆえに起きる必然と強く感じました。ところで変形性膝関節症という
膝関節の退行性変性の病態があります。
 
 日本ではお年を召して、だんだん膝が老化してきたとご説明させて
いただくことがあります。
お若いころよくお働きになってとか、よく歩いていらしたからとか・・。
日本人の変形性膝関節症は使いすぎた結果としてО脚になる病態が
多いです。
 
 アメリカのご老人方も多くの変形性膝関節症の方がいらっしゃい
ました。しかし、そのほとんどがX脚で、理由もどうやら歩かな
すぎて、上半身ばかり大きくなって膝が耐えられなくなるパターンが
多いようです。歩き過ぎて痛くなる膝と歩かなすぎて痛くなる
膝の違いに文化や習慣、生活の違いを痛感しました。
 
 アメリカの医療について話したいと思います。
自分の滞在した地区は西海岸地方に属し、その国土の広さゆえ
ニューヨークなどがある東地方とは多少違いがあるようです。
よくテレビなどで紹介されるような最新鋭の設備、ホテルのような
病室、あるいは治療方法まで費用をかければかけるほど、その医療
サービスは充実するようです。
しかし、現実に全米の15%以上の国民が経済的理由で医療を受けられず、
また医療にかかる費用が先進国の中でもGDP比が16%(日本8%)と飛びぬけて
高いため、手術後の患者様も経済的理由で一日も早い退院を希望します。
そのように家に早く帰ってしまったために腫れた足を診るたび、逆に
日本の健康保険システムの充実を感じました。日本ではいろいろと
問題が指摘されているのも現実ですが、現在、世界的に医療のすすむ
べき方向が暗中模索の中、小さな国ゆえにできている日本のシステムが
けっして否定するばかりのものではなく、世界を牽引できる可能性を
秘めているのを知らないのは案外、日本人なのかもしれません。
アメリカの医療スタッフに日本ではすべての国民が保険を持ち、
一定レベルの医療を受けることが可能なことを話した際に、彼らも
それらがなぜ世界発信されていないのか不思議がっていました。
実際、行ってみて逆に日本を知ることになるんだなと感慨深い気持ちに
なったことを思い出します。
報告を書きだしたら、とてもトピックス一回で伝えられる内容ではない
ことに気づきました。
まだまだ報告するこが多くあります。また続報として何度か報告させて
頂きたいと思います。
とりとめもない文章で申し訳ありません。
自分が感じたありのままをお伝えしようと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
 
松本 大士
 
 
 
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