トピックス
 
平昌オリンピック帯同報告(2018.05.06)

 
代表選手発表後の記者会見/平昌オリンピック帯同報告
代表選手発表後の記者会見
 
理学療法士の吉岡慶です。
今回のトピックスは、先日行われました平昌オリンピックにショートトラックの
トレーナーとして帯同させて頂きましたことを報告させて頂きます。
 
はじめに、平昌オリンピック帯同するにあたり、2017年10月よりゆきひろ整形外科
を半年間休職させて頂きました。院長をはじめ、職場のスタッフ、担当させて頂い
ていた患者様には多大なご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
院長のご理解とゆきひろ整形外科スタッフの方々のサポートにより、貴重な経験を
させて頂いたことに大変感謝しております。
本当にありがとうございました。
 
昨年の12月16、17日に行われたショートトラック全日本選手権で平昌オリンピック
に出場できる代表選手が決定し、選手権後に代表選手の発表がありました。その時
に帯同するスタッフの発表も行われ、帯同トレーナーとして選んで頂きました。
9月に行われた距離別選手権、ワールドカップ選考会と12月の全日本選手権を戦い、
代表の権利を勝ち取った選手と喜びを分かち合うことができました。
 
今年の1月24日に大田区総合体育館で日本代表選手団の結団式と壮行会が行われました。
結団式では旗手代行の高梨沙羅選手が団旗を受け取り、主将である小平奈緒選手の
決意表明が行われました。秋篠宮ご夫妻がご出席しており、秋篠宮さまがごあい
さつされました。結団式に参加させて頂いたことで、その場の空気を感じ、とても身が
引き締まる思いでした。
壮行会は応援団長の松岡修造さんと平井理央さん、小島瑠璃子さんの進行で、地元の
小学生からの応援メッセージや安倍首相からの応援ビデオメッセージなどが選手団に
送られました。
壮行会の最後にはアーティストのAIさんの歌で選手団と合唱し、選手団へ激励が送ら
れました。
 
結団式
結団式
 
壮行会
壮行会
 
2月4日に日本選手団は成田空港から韓国ヤンヤン空港へ出発しました。
成田空港では盛大に選手団の見送りが行われました。日本航空のスタッフ
の方により花道がつくられ、そこを通って飛行機に搭乗しました。
韓国ヤンヤン空港までは2時間ほどで到着し、空港からはバスに乗り、
1時間で江陵選手村に到着しました。
 
成田空港での式典
成田空港での式典
 
選手村は大きく2つに分かれています。スキーなどの山の競技の
選手が滞在する平昌の選手村とスケート競技などの平地の競技の
選手が滞在する江陵の選手村となっていました。ショートトラック
チームは到着した日から練習があったため、江陵の選手村に入りに
すぐに練習に向かいました。日本選手団の荷物があまりにも多かった
ため、選手村に全ての荷物が届かず初日の氷上練習ができなかった
選手もいました。初日の練習は試合が行われる会場の氷の感触を
確かめるための軽めの練習でした。オリンピックが行われる会場は
ワールドカップが行われる会場とは大きくは変わらないのですが、
五輪のマークがあちこちにあり、それだけでトレーナーである私も
気持ちが高揚しました。
選手たちは程よい緊張感を持ちながら練習をしていました。
 
江陵アイスアリーナ
江陵アイスアリーナ
江陵アイスアリーナ内
江陵アイスアリーナ内
 
江陵の選手村はショートトラック、スピードスケート、フィギュアスケート、
アイスホッケー、カーリングの選手が滞在していました。宿泊する建物は
オリンピック終了後マンションとして売り出されるために建設されたもの
であったため、とても綺麗で快適に過ごすことができました。選手村内に
は24時間食事ができるダイニングホールや、スポンサーのサムスンのブース
や美容院やお土産ショップ、コンビニが入っているビレッジプラザ、診療所、
フィットネスセンター、ゲームセンターなどがありました。
ダイニングホールでの食事は種類が多く美味しく食べられるものが多かった
です。3週間の長い期間いたため、後半には味に飽きてくる選手も多く持ち
込んだ日本食を食べる選手も多かったです。ゲームセンター内には卓球台や
ビリヤード台、テレビゲーム、マッサージチェアなどがありました。
オリンピックという大会の規模の大きさに驚きました。
 
江陵選手村
江陵選手村
江陵選手村
江陵選手村
宿泊施設内
宿泊施設内
江陵選手村ダイニングホール
江陵選手村ダイニングホール
ゲームセンター
ゲームセンター
マッサージチェア部屋
 マッサージチェア部屋
 
2月9日に開会式が行われました。開会式は江陵選手村からバスで
1時間弱の場所にある平昌オリンピックスタジアムで行われました。
ニュースでも報道されたかと思いますが、平昌は標高が高いことと
寒波の影響で気温が低く、開会式の時はマイナス10℃ほどでした。
開会式は屋外で行われるため、試合を控える選手は大事をとって
参加を辞退したり、入場行進を行った後に早めに選手村へ戻る選手が
多かったです。オリンピックでの舞台でメダルを取ることを目指して
きた選手にとっては体調を第一に考えるのは当然のことだと思います。
トレーナーの立場としても体調を崩して試合に影響することを考えると、
試合前日にマイナス10℃の屋外にずっといることは避けた方が良いと
思っておりました。選手への配慮を第一に昼間の開催などにできな
かったのかとの意見もありました。
 
トレーナーの仕事内容について少し話をさせて頂きます。
トレーナーの仕事内容は選手のコンディショニング管理、練習中の
傷病への対応などが主な仕事となります。コンディショニング管理
は毎朝、選手が個々に計測した体温や脈拍、体重や調子などのコン
ディショニングデータをチェックしたり、練習前後に選手のスト
レッチをしたり、夕食後に宿泊施設で選手の身体の状態を評価して、
状態に合わせストレッチやマッサージ、エクササイズの指導などを
行うことで、選手の状態を把握して強化スタッフと情報を共有して
いました
。試合の当日は一番に会場に行き、控室の準備をしていました。
控室は他の国と共有するため、マッサージベッドを置く場所を確保
するために他の国のトレーナーも一番のバスで試合会場に向かって
いました。試合当日仕事は様々です。ウォーミングアップ時にスト
レッチをサポートしたり、試合と試合の間にアイスパックを準備し
たりストレッチをしたり、転倒した選手がいれば、状態を確認して
対応します。
平昌オリンピックでのショートトラックの試合は開会式翌日の
2月10日から22日の間に2〜3日おきに行われました。
ショートトラック種目は男女500m、男女1000m、男女1500m、
男子5000mリレー、女子3000mリレーがあります。ワールドカップ
では全ての種目を3日で行いますが、オリンピックではショート
トラックとフィギュアスケートの競技が同じ会場で行われるため、
試合と試合の間が長くありました。選手の疲労を考慮すると余裕が
ありましたが、選手によってはテンポ良く試合をしたい選手もいた
ようです。
男女のリレーはオリンピックが行われる年のワールドカップ第1〜4戦
の結果でオリンピックに出場できる8カ国に絞られ、準決勝と決勝のみ
オリンピックで行われます。日本代表チームはワールドカップでオリン
ピック出場枠を勝ち取り出場することができました。男子リレーチーム
は3大会ぶりの出場となりこの4年間の良い結果となりました。
オリンピックでの結果は男子5,000mリレー7位入賞、女子3,000m
リレー6位入賞となりました。惜しくも決勝には進めることはできま
せんでしたが、オリンピックの雰囲気にも負けず、日本代表として堂々
と戦っていました。
個人戦では男子500mで坂爪亮介選手が8位入賞となりました。
坂爪選手は前回のソチオリンピックシーズンのワールドカップで下腿を
骨折し本調子ではないままでのソチオリンピック出場となりました。
骨折後からオリンピックまではとても苦労をしたと聞いておりました。
今回のオリンピックを迎えるにあたり、大きさケガをせずに本番を
迎えられたことをトレーナーという立場として嬉しく思いました。
 
ショートトラック日本代表チームはソチオリンピック後からナショナル
チーム体制となり、カナダからジョナサン・ギルメットヘッドコーチを
迎え新しい体制でスタートしました。私は新体制での専任メディカル
トレーナーという立場を頂きました。専任メディカルトレーナーという
立場での業務内容は年間を通して合宿日数が多い中での選手の
コンディショニング管理、練習中の応急処置、トレーナーチームの管理が
中心でした。新体制になったことで、様々な問題がありましたが
ナショナルチームの選手、強化スタッフ、トレーナーチーム、スケート
連盟の方々と話し合うことで乗り越えて来られたと感じております。
大きなケガや病気などがなくオリンピックを迎えられたことがとても
嬉しく思います。
この4年間、日本代表チームに関わらせて頂き、オリンピック帯同という
貴重な体験をさせて頂きました。人生をかけてスケートに向きあっている
選手と関わらせて頂いたことで、様々なことを学ぶことができました。
世界中の選手が目指しているオリンピックを肌で感じることができま
した。この貴重な体験をゆきひろ整形外科での臨床に活かして行きたいと
思います。
 
理学療法士 吉岡慶
 
  
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